詩歌本の店「満天の星」へ
いらっしゃいませ!!
本屋さんに並ばない本を中心に
新刊から絶版本まで取り揃えます。
お気軽に訪問ください。
2023.2.25 「Picnic」8号販売開始しました
2022.11.6 川合大祐・千春の川柳エッセイ集「トイレの後は電気を消して」販売開始します。
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句集 チドメグサ
¥1,500
第11回東北川柳文学大賞受賞 第16回川柳文学賞受賞 日常が重なるすこしずつずれて 菜の花よ人に生まれて息苦し さくら咲くさびしい人はなおさびし ホッとする知らない人に囲まれて 氷ですこころのように見えますが 【赤石 ゆう】 秋田県大仙市在住 時実新子の「川柳大学」終刊まで会員 川柳ゼミナール・うご会員 川柳「湖」会員
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スロー・リバー 川合大祐 川柳第一句集
¥1,500
川柳を継続的に書き続ける上で作家が意識しなければならないのはマンネリであろう。 一七音字しかない川柳の場合川柳的言葉、目新しい言葉や構文で書いたとしても瞬く間に鮮度が落ちてしまい既視感のない川柳はすぐ常套句の列に組み込まれてしまう。 意識的な川柳人にとって創作は常に自らの過去作との決別となるわけであるがいうほど楽しいことではない。 そんな中、川合大祐は川柳誌に作品を発表するほかに、Twitterへ数句から十数句川柳を発信している。毎日十数句の川柳を発信しいったい何を実験しているのだろうか。 「スロー・リバー」は川柳作家川合大祐の試行錯誤がもっとわかりやすく発信されており、これから現代川柳を発信していく人にとってとてもよいテキストになるだろう。 (月波与生) 出版社 : あざみエージェント (2016/1/1)
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てとてと 千春 第一作品集
¥1,500
「てとてと」を読んで 月波 与生 ひとつずつ/ひとつずつしか/私は行動することができない/ 今日は少し冒険をした(詩:忘れないように) 千春さんが『てとてと』を上梓されました。 川柳作家のくんじろうさんが描いた猫の顔の表紙がとても特徴的で、猫の瞳はじっと読み手を見つめていて、「ワタシを手に取って読むの?読まないの?」とつぶやいているようでもあります。 本に挿入された栞を書いたいなだ豆乃介さんが「本のタイトルの『てとてと』は飼っていた猫の名前で猫=千春」と書かれていますので、そのように解釈するとこの作品集は、千春さん自身のことを書いているといえます。 構成は「川柳ひげ」と「川柳しっぽ」の二章かからなり、間をブリッジするように「詩 短歌 おなか」が入る。冒頭の詩はこのおなかに収録されています。 大祐と々々さんに萌えてみる あさってがふたりぼっちをもてあます 弟を忘れるために風邪うつす 母親の再婚相手おでんが響く 友人の自殺未遂に付き合って 「川柳 ひげ」から引いた五句。 大祐とは千春さんのパートナー川合大祐さんで、々々さんは柳本々々さんでしょうか。。萌えるという言葉が人間関係をよく表しています。あさっての句も大祐さんとのことを詠んだものでしょうか。萌えてばかりもいられないのがパートナーのツラいところ。弟の句、母の句、友人の句、いずれも実体験を詠んだ句だと読めます。句の背後に慟哭が聞こえそうですが既の所で川柳として作品として踏みとどまる。踏みとどまれるのは今のパートナーとの日常があるからでしょう。 逃げて逃げて耳たぶに鎮座した ふくろうになった主治医の薬たち フラッシュバック鏡をよく見せて 君の頭を撫で続けていて兵隊帽 恋しそうだから洗濯機にいれるね 「川柳 しっぽ」から引いた五句。逃げるところはどこにもなく、もしかしたらもう逃げなくてもいいのに逃げなくてはならない焦燥感が残っているような。鳥の中でも梟になったと思う処方薬。主治医との関係が伺われます。とはいえたびたび襲うフラッシュバック、鏡の自分は今誰になっているだろう。そんなときも一緒にいるパートナーの存在。撫で続ける兵隊帽があり、同じ洗濯機に入る日常がある世界、それがいまの現在地なのでしょう。 虚を書かないまっすぐな個性が見える作品集です。 ひとつずつ/ひとつずつ/忘れないように (詩:忘れないように) (川柳の話通信1号より転載)
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ひと文字綴り 萩原奈津子川柳句集
¥1,000
SOLD OUT
第15回川柳文学賞 準賞受賞作品 萩原奈津子さんは、福岡県の川柳作家。 『女性が他の光を借りて輝く月であったのはその昔。「元始、女性は太陽であった」はずんずんと歩幅広き「青鞜」の平塚らいてう。そして福岡県川柳協会会長の要職にもある萩原奈津子もまた地力の太陽のごとく輝き続けなければならない』は序文を書いた梅崎流青氏。 『知識の高さ、勘の良さ、どの道に進まれてもリーダーの素質のある方を川柳会に捕らえることが出来たのはとてもラッキーなことでした。』と記したのは冨永紗智子氏。 『人生を重ねると思い出が増える。川柳を整理するとアルバムのように思い出も整理できる。すると今まで気づかなかった事にハッとさせられます。(中略)思い起こせば、退職をした十四年前、全く川柳と縁がなかった私に、川柳のイロハからご指導いただいた冨永紗智子先生との出会いがなければ、川柳の楽しみも苦しみも知らず、さぞかしボーっと生きていたでしょう』(著者あとがき) 句集から 追いかける夢に切手を貼り続け B型の息B型になるシャボン玉 良い人を捜すゴリラに辿りつく 月だったか太陽だったか おんな
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川柳句集 オンコリンカス
¥1,500
オンコリンカス(Oncorhynchus)はサケ、(シロザケ)を意味する。 秋サケの産卵の様子はテレビで目にした人も多いだろう。 忌を嫌うテレビで見てもサケの産卵は感動的である。そしてその後の運命も。 「北海道の河川に遡上する秋サケは白鮭であり、四年から五年の回遊生活をした後に一斉に南下する。その一生を北太平洋という大舞台に立ち壮大なドラマを演じた後、その千秋楽を飾るべく徐々に体は婚姻色に染まりはじめる。…」 「種の保存のリアルな例として、サケの産卵の様子がテレビなどで放映されるが、彼らの数千キロに及ぶ回遊の果ての再生と修羅場の様子を見ているに違いない。終焉の地では無残な鮭の屍が累々と重なり、熊が臓腑を喰いちぎり、鳥が眼球を啄ばむという煉獄にふさわしい光景である。」 「高村高太郎の「死ねば死に切り、自然界は水際立っている」という言葉が脳裏をよぎる。」 (自伝的エッセイ オンコリンカス的生涯を巡って) 作者が目にしたものは演出されたテレビの世界ではなく、生々しい現実のオンコリンカスの生涯である。儚きものへの生の憧れと死を恐れない畏怖がこの句集の太い動線となっている。 句集から 深呼吸してから海を吐き出そう へその緒を口に含んで湾を出る 煮魚になってはじめてほめられる ぶつかればあなたも変な音がする 越境の視野いちめんの花いちもんめ 風刺画のヒゲゆらゆらとふらんす語
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